『はじめてのYouTube』

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感動する物語とダンスムービーを作りました！\n女の子たちが部活を盛り上げるため、はだかのダンスをyoutubeにアップするまでの物語です。高画質版(2560×1440)\nhttps://www.patreon.com/posts/138182462キャラ差分×2https://www.patreon.com/posts/138182644ーーーーーーー　ストーリー　ーーーーーーー『はじめてのYouTube』部室は、戻ってすぐにクーラーをつけたのだけれど一向に涼しくはならなかった。窓の外では、傾きかけているのにまだ強い光の太陽が、室内に熱を送り続けている。私はソファに深く腰を下ろし、スマホを無造作にテーブルに置いた。物入れに当たって、カタリ、と音がした。「……２人だけって、けっこうショックだよね。体験会」智代が、ペットボトルのキャップをいじりながら呟いた。私たち３人で企画することになったダンス部の体験会は、１か月かけて準備も頑張った割に新入部員の獲得はゼロだった。智代はスマホをいじりながら続けた。「やっぱ“見せ方”じゃないかな。他の学校の子たち、Youtubeとかにダンス動画あげてるし。」「でも……私たちのダンスでYoutubeって……」涼子が小さな声で言った。その声はすぐに消えて、また3人は沈黙する。涼子の不安はよくわかる。部屋の隅、次の公演で使う衣装がかかっていた。こうして見ると、ただの小さな布切れにしか見えない。「私たちの身体、知らない人たちに見られるってことだよね。」涼子が、声をひそめるように言った。「誰にどう見られるかわからないし、勝手に保存されたり、拡散されたりするかもしれない……。それってちょっと、怖い。」そう。動画にすれば、それが一人歩きするかもしれない。みんながみんな、私たちのダンスを好意的にうけいれてくれるだろうか。私は、テーブルの上のスマホをぼんやりと見つめた。智代がぽつりと漏らした。「説明会で“下も脱ぐんですか？”って聞かれて、“はい”って答えたら、その場で帰っちゃった子がいてさ。ちゃんと説明する前だったのに……悲しかったな。」でも、その子の気持ちも分からないわけじゃない。私だって、初めてこのダンスを踊るとき、怖かった。「本当にパンツも脱がないとダメなんですか」って、先輩に詰め寄ったくらいだ。初めてステージに立ったとき、客席から全身を隅から隅まで、それこそお尻の穴まで見られたときの気持ちを、今でも覚えている。それでもこのダンス部にいるのは、この方法が「言葉にならないもの」を外に出す、唯一の手段だと思ったから。でも、ただ裸で踊っているだけじゃ、その思いは届かない。それなら、「どう見せるか」まで含めて、私たちは考えなきゃいけないのかもしれない。ふと、クラスでの涼子を思い出す。最初、彼女をこう思っていた。"あまり前に出るのが嫌いで、恥ずかしがり屋な普通の子"。実際、プールの授業では男子の目をとても気にしていた。恥ずかしそうにタオルで自分の身体を隠していた。でも、部活での彼女は違った。羞恥心を超えて、自分をさらけ出して踊る姿は、むしろ堂々としていて、恰好よかった。「ねえ」私は二人に声をかけた。「……動画にするならさ、日常から始めてみたらどうかな。たとえば制服姿で軽く踊るところから始まって、最後に本番の衣装にで終わる。」「途中、少しずつ日常の服を脱いでいくの。それで変化の様子を見せるっていうのは、どう？」智代が顔を上げた。「日常から……踊る自分へ？」「そう。変身していくイメージ。いきなりあの衣装を見せるんじゃなくて、“その前の私たち”も映すの。日常の様子とかも。」「そうしたら、『あ、この子達、見ている私と同じ普通の学生なんだな』って、思ってもらえると思う。……そしたら、あの衣装も、“ただの露出”じゃなくて、意味のある表現だって伝わるんじゃないかな。」涼子が眉を寄せて俯いた。「でも、見てくれる人全員が、そこまでちゃんと見てくれるかな…。“ただのストリップじゃん”って言われたら、それまでだよ。」「……うん。そう思う人も、いるかもしれない。でも、悪い声だけ気にしてたら、何もできなくなっちゃう」私は、あえて強気にそう答えた。「私は十人に笑われても、一人に届いてくれるなら、それでいい。“私も踊ってみたい”って思ってくれる誰かに届けば、それで」涼子が、ふっと息を吐いた。まるで、何かを受け入れるような、覚悟を決めたような吐息だった。「……うん、そうだよね。私がダンス始めたときもそうだった。何もやらなきゃ、始まらない。」私は思わずソファから立ち上がる。「ほんと？じゃあ構成、考えてみる。たとえば、体にマジックで言葉を書くとか。“意味”が乗れば、見られること自体が、作品になると思うんだ」智代が少しだけ笑った。半分あきれたように、でもどこか嬉しそうに。「……もう、雪乃ってすぐ熱くなるよね。でも、私もやってみたい。」私はスマホを取り上げて、メモ帳を開く。やってみたいことが次々に浮かんでくる。「ダンスの途中に入れる、うちらの日常のシーンも撮らなきゃね。裸で撮影しても大丈夫なところないか、調べてみる。」「……うちらなりの“発信”、少し見えてきた気がする」窓の外には、まだ昼の熱気が漂っていた。その向こうで、夕方のチャイムが静かに鳴った。踊り終えたばかりの体は、まだ熱を帯びていた。汗が肌に張り付き、心臓の鼓動が耳に残っている。私たちは体の熱が残ったまま着替えもせずに、スマホで簡単な編集を終わらせる。今日のために用意したアカウントに、動画をアップロードする。サムネイルには、私の身体が、元気いっぱいに映っていた。不安だったコンテンツ審査は、無事にクリアした。「きっと、届くよ」智代が笑った。その顔を見て、私も笑った。スマホを持つ手に、少しだけ力を込める。私は「公開」のボタンを押した。